御曹司の秘書さんの日常◆
「…おはようございます。お嬢様。
こんなところで、いかがなさいましたか?」
「あなたを待ってたの」
「……なにかご用でしょうか?」
「うん。協力してよ!昴さんと…私、結婚したいのっ!」
あー。俺の目の届かないところで
勝手にしてくれ。
武は、眉間に一瞬しわを寄せたが、
ため息をつきながら、彼女の隣をすっと通り過ぎて
マンションに入る。
今日も、感じのいいコンシェルジュがお迎えだ。
「ちょっとっ…」
彼女が武の後に続くが
無視して、スタスタとエレベータに向かう。
そのまま、無視を決め込むと、
彼女も無言のまま一緒に乗り込んできた。
はぁ。無理やり下すわけには行かないよな…
昴様に怒られそうだ。と思いながらも、
目的地の最上階へのボタンを押した。