御曹司の秘書さんの日常◆
「……あの…」
「あ。悪い。」
昴はぱっと武を手放した。
「…昴様。レイナさんは勘違いなさったんじゃないですか?」
「違う違う。勘違いさせたの。
これで、あきらめるんじゃない?」
あっけらかんと昴は言い放ってカウンターに座る。
無造作に置かれた袋から適当にパンを取り出す。
「悪い。牛乳とって?」
「…はい。」
勘違いされたって。おいおい。
武は気が重くなった。
面倒なことにならなければいいけど。
そう思いながら
武は、昴のために牛乳をグラスに注いだ。