御曹司の秘書さんの日常◆
「兄貴。何しに来たんだ?」
昴はスーツのジャケットを脱ぎ、武に渡す。
それをいつものように
ハンガーにかけながら、武は秘書用の机に向かう。
昴はいつもの自分のデスクには座らず、
社長である兄の向かいのソファーに腰を下ろした。
「昴。お前…市川とデキてるってホントか?」
「はぁ??ーーーーーあっ!!」
昴は、一瞬眉間に思いっきりしわを寄せて不快な顔をしたが、
すぐに今朝のレイナの件を思い出した。
武も、絶句して書類をそろえる手が止まる。
思わず、社長である樹をにらむ。