御曹司の秘書さんの日常◆
絶句したのが肯定ととらえられたのか、
樹社長は、困ったように髪の毛をかき上げて
はーーマジかよ。
と小さくつぶやいた。
「いえ!社長!!勘違いなさっては困ります!」
マジかよって俺のセリフだ。
武はあわてて、全力で否定する。
あまりにも必死で裏目に出ないか、余計焦ってしまう。
冗談じゃない!俺は根っからの女好きだ。
おいおい。てめぇも否定しろよ。
そんな武と裏腹に昴は冷静に社長である樹を見つめ返した。
「なんで、兄貴がそんなこと聞くんだ?」
にやりと少し意味ありげに昴は笑う。