御曹司の秘書さんの日常◆
「神原のお嬢様が今日、早朝から実家に来てなーーー
怒鳴り散らして帰って行ったらしい。
婚約はめでたく破棄。
ちなみに、業務提携もまた白紙に戻って最初からだ。」
実家ということは…会長も朝からたまったもんじゃないな。
武は、あのレイナが喚き散らす様子が
うかんで苦笑した。
「ふぅーん?
だから何?」
「だからって…おまえ、やっぱり市川とデキてるのか?
だから会長が用意した婚約者たち冷たくあしらったのか?
…大学の時は あんなに遊んでいたのに
パーティの時もどこかの女と消えるなんてこと
なくなったじゃないか。」
武は、すぐに社長の勘違いを訂正しようとするが、
昴が一瞬 武に目配せをし、
しっと人差し指を立てた。