御曹司の秘書さんの日常◆

武は思い切り眉間にしわを寄せて昴をにらむ。

こいつーー絶対楽しんでやがる。




「兄貴。--いや、社長。
 僕を気遣てくれるのはわかります。
 
 しかし、僕もまだ18です。さまざまな経験もしてみたい。」

「だからといって、秘書とーーしかも男とーーー」

社長はまだ勘違いしたままだ。


おいおい。
俺の意見はスルーですか?

と武はいら立ちを隠せない。

「社長。今の時代、そういう発言はすでに遅れてるのでは?」

にやりと昴は笑った。
社長は一瞬言葉に詰まるが、
にやりと笑い返した。

あぁ。やっぱり兄弟だな。
笑い方もそっくりだ。

なんて、呑気に観察している場合じゃない。


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