御曹司の秘書さんの日常◆
珍しく武が動揺したのを樹は見逃さなかった。
「---あ。そうか。」
ぽつりつぶやいて、
思いついたように社長の樹は立ちあがった。
コンコン
タイミングよくノックされる。
「-失礼します。社長!お時間です。」
入ってきたのは社長の第一秘書の児島さんだ。
武は軽く頭を下げて、昴はわらっておはようと話しかけた。
時計に目をやるともう9時半になるところだった。
「児島。今いく。」
社長はすっと立ち上がってネクタイを締め直した。
昴はそれに続いて、ドアの方まで社長を見送る。
武はドアから少し離れた秘書デスクで
社長のほうを向いて頭を下げる。
やれやれーー
朝からホント余計な事ばかりが増えて…
本当に特別手当をもらわないとやってられないな。
武は心の中で舌打ちをする。