御曹司の秘書さんの日常◆
児島がドアを抑えている間に社長は部屋から出ようとした
その時ーー
社長はとんでもない勘違い発言を落としていった。
「昴。わかった。
---市川が、お前の事を好きなんだな?」
気まずそうに昴と武を交互に見つめ、
昴の肩をぽんとたたいた。
「----はぃ??」
昴は何を言われたか一瞬意味がわからずに
ボー然と兄である社長を見つめた。
「あ。時間がない。この件はまた後で!!」
社長はそう言い残して足早に常務室を後にする。
児島は「どういうことだ?」という視線を武にやるが、
社長の後をあわててつい行く。
あまりのバカらしい勘違いに、
武と、昴でさえも、呆然として
しばらく パタン と静かに閉まったドアをただ眺めていた。