御曹司の秘書さんの日常◆
佐々木は顔を赤らめて、
興味津々で武の返事を待っている。
武はただ呆然と、言葉を失ってしまった。
少し、ふらっと立ちくらみがする。
「あっ・・・あの…佐々木さん?
なんでそんなこと聞くのかな?」
武は動揺しているのをできるだけ抑えながら問う。
「え?児島さんがーーー聞いてきましたので…」
社長第一秘書の児島さんだ。
「あのっ。一応…秘密でと言われたんですが…
その…・・・・直接…聞きたくて・・・」
佐々木はまた恥ずかしそうに下を向いた。
「ーーはぁ。佐々木。
そんなわけないだろう?私は、根っからの女好きだ。」
少し、おちゃらけて武は笑って見せた。
佐々木は、ほっと安心したように
よかったぁ
といってにっこり可愛らしい笑顔を見せた。
ーーーあ。まずい。
うぬぼれじゃなけりゃ…佐々木って俺に好意を持ってる?
武は一瞬眉をひそめるが、
佐々木はその間に「しつれいしました」といって
足早に常務室を後にした。