御曹司の秘書さんの日常◆
レイナは昴に冷静に睨まれて
言葉を失う。
「え?え?」
「だからーー僕の前に
現れないでくれる?迷惑だしーーーー」
「…昴様。いいすぎです。」
一応取引先のお嬢様。
必要以上の威嚇は避けたい。
昴は、フンっと鼻で笑って会場に戻って行った。
ナミと旦那は少し心配そうに見ていたが、
昴に続いて
この場を後にした。
仕方ない。
フォローするのは俺かーー。
ちっ。
心の中で武は舌打ちをして、
レイナに話かける。
「レイナさん?
大丈夫ですか?誤解は解けましたか?」
「--どういうことよ。
つまり、昴さんはーー私のことが邪魔だっただけ?」
大きな目に涙をうっすらためて、
武をにらむ。
ーおいおい。
俺が悪者みたいじゃねーか?