Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~
◇◆◇◆◇
一年前―
私は出産の為に実家に帰っていた。
予定日は2月17日
だけど、その日を過ぎても産まれず
「まだ、産まれそうにないか?」
毎日、電話が掛かって聞かれる。
「まだみたいです」
「はぁ~何してんだよ。早く出てくるよう言い聞かせ」
『言い聞かせ」って言われても
そんなある日
「おい、俺24日から一泊で出張だけど、どうだ?産まれそうか?」
「大丈夫みたいですよ。先生が3月になるかもって言ってましたし」
「ん。じゃあ出張行ってもいいか?」
「はい」
何が何でも立ち合うと決めているらしい。
だけど、こればかりは
なんたって
「絶対、土日に産め」
って命令されてるんだけど
こればかりはね~
何かあったらすぐ電話しろっと言って出張に行った。
24日の晩に電話が掛かってきて
「大丈夫か?」
「はい。大丈夫ですよ。恭介さんこそ、お仕事大丈夫ですか?」
「あぁ、上手くいった。明日、帰りにそっちに寄るから」
「疲れませんか?私なら大丈夫ですよ」
「俺が会いたいんだ。お前は会いたくないのか?」
「あ、会いたいです」
「なら素直にそう言え」
怒られた。
「分かりました。じゃあ明日待ってますね」
「あぁ」