Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~
「い、痛い!」
その夜中―
寝てたら、急にお腹が痛くなり―って、これ、もしかしたら…
お腹を押さえながら、そろそろと下に降りて行く。
「お、お母さん、お母さん」
「どうしたの?」
「き、きたみたい」
「えっ?お、お父さん、お父さん」
とにかく居間に連れて行かれ
「病院に連絡するから」
「うん」
痛っ!
な、なんで今なのよ。
後、半日もってよ。
そしたら恭介さん 間に合うのに…
ってそれどころじゃない。
「すぐ病院に来なさいって。お父さん車」
「分かった」
お母さんが入院の荷物を取って来て、コートを羽織り車で病院へ―
診察してもらい産まれるのは、もうちょっと掛かると言われ…ギリギリ恭介さん間に合うかなとか考えて
朝、6時回るのを待って恭介さんに連絡をする。
と
「馬鹿!もっとさっさと電話して来い。今から帰るから、俺が行くまで産むなよ。命令だからな」
産むなよ、命令だからなって…
恭介さん、今、九州だよ。
それに
「恭介さん、今朝一番に先方様に挨拶に伺わないと…」
「……」
「恭介さん」
「チッ 分かった。さっさと行って、すぐ帰るから待ってろよ。産むなよ」
産むのを待ってろよって…
何でこんな時まで俺様なのよ!
「志織?」
「あっ、あぁ、出来るだけ言い聞かせますけど…こればかりは」
「俺の子どもだ。聞き分けはいい」
恭介さんの子供だから、聞き分けは…
「じゃあ、恭介さん もう切りますね」
「あぁ」
電話を切って
はぁ~ 疲れた。