Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~
「これは」
最後の包みを開けて
「…タイピン」
「はい」
「この石は」
タイピンに小さなオレンジがかった赤い石が輝いている。
「ガーネットです」
「ガーネット…一月の誕生石か」
「はい」
やっぱり知ってるんだ。
「一月がガーネットって知ってたがどんな石か現物みたのは初めてだ。そう か、これか」
そうか。
一月生まれは我が家では恭介さんだけだから自分で買わないよね 。
「恭介さん風に言うと『魔除け』になりますから使って下さいね 」
「金じゃないだろ?」
タイピンはシルバーにガーネット
「誕生石も身に付けてたらいいんです。このブレスレットと一緒ですよ」
「そのブレスレットの留め金は金だけど」
「……」
本当にああ言えばこう言うのよね。
素直じゃないんだから。
「クッククク…膨れんな。また蛸になってる」
「膨れてませんから」
本当に失礼だわ。
「志織、機嫌を直せ。な」
「誰も機嫌損ねてなんかいません」
「充分損ねてるじゃないか」
抱き上げて何故か膝の上に座らされて
「恭介さん、降ろして」
「駄目だ」
そんなこと言われても…
もがくんだけど、がっちりホールドされてるし。