Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~
「あ、きょうとタワーだ」
「ほんとだ。きょうとタワーだ」
車窓から京都タワーを見つけた涼の言葉に同じように『きょうとタワーだ』と陽菜が大はしゃぎで
「パパ、ママ、きょうとタワー」
と教えてくれる。
「さ、もうすぐ着くから。涼、陽菜、リュックを背負って帽子を被りなさい」
新幹線がホームに滑り込み静かに止まった。
私と恭介さんも荷物を持って新幹線を降りると
「涼君、陽菜ちゃん」
ホームにはお迎えが。
「小雪さん、わざわざありがとうございます」
「いいえ。…涼君、陽菜ちゃん、どうしたん?」
涼と陽菜がキョトンと小雪さんを見上げている。
「ハハハ…小雪さんが舞妓の恰好じゃなく洋服に髪を下ろしているから驚いてるんだな」
あ、そうか。
二人は舞妓姿の小雪さんしか知らないもんね。
今日の小雪さんはブルーのワンピースに髪もポニーテールにしている。
「こゆきおねえちゃん?」
涼がまじまじと。
「へぇ。小雪どす」
舞妓言葉で答えれば
「わぁ~こゆきおねえちゃん」
陽菜が抱き着いた。
「フフフ…陽菜ちゃん、こんにちは」
「こんにちは。こゆきおねえちゃんかわいいね」
「えっ?あ、おおきに」
ほんのり頬を染めた小雪さん。
フフッ 本当に可愛い。