Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~
【恭介side】
昼寝をし過ぎた陽菜が12時を回っても遊んでいる。
京都旅行の興奮もまだ続いているんだろう。
だけど…このまま陽菜の好き放題させていたら我が儘になる。
陽菜は素直だし人の言うこともちゃんと聞くんだが、我が家では一番下。
藤倉の中でも唯一の女の子だからみんなに甘やかされている。
それでは我が儘になるのも当たり前だ。
いいことはいい、悪いことは悪いと今のうちから教えておかないと。
大きくなって困るのは陽菜自身なんだから。
今、陽菜は俺の膝の上でビクビクしている。
涼も困ったような顔で俺と陽菜を見ている。
「陽菜」
「……」
「陽菜」
「は、はい」
返事はしても顔を上げない。
「もう泣かなくていいから。陽菜はちゃんと自分が悪いってパパとママに謝った。それからな、涼にも謝れ」
「お、おにいちゃんに?」
頭を撫でて
「あぁ。陽菜が大声で泣いたから涼は目が醒めた。そして陽菜と一緒に謝っ た。涼は何にも悪いことをしてないのにだ。分かるな 」
3歳で全てを理解出来るとは思わないが。
「お、おにいちゃん」
「うん?」
「ご、ごめんなしゃい。しょれにひなといっしょに『ごめんなしゃい』してくれてありがと」
「ひな…もういいよ」
涼も陽菜の頭を撫でて
「よるはねようね」
「うん」
「ん、それでいい」