Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~
「お母さん兎が晩御飯を作って『さ、 食べようね』って言ったら妹兎が『お兄ちゃんは食べないの?』って聞いてきました。『お兄ちゃん兎は今は食べられないから後からスープを飲ませるからね』って。それを聞いた妹兎はお父さん兎とお母さん兎と一緒にご飯を食べ始めました。でもいつもはたくさん食べる妹兎ですがその日はあまり食べません。喋りません。きっとお兄ちゃん兎が心配で食べられないみたいです」
「……」
「いい子だな、妹兎は」
「お母さん兎がスープを作ってお兄ちゃん兎に食べさせています。妹兎はそれを見てちょっと寂しくなりました」
「なんで妹兎は寂しいんだろうな?」
恭介さんが聞くと陽菜は
「ママ」
私の手を握ってきた。
「うん。妹兎はいつもお父さん兎とお母さん兎とお兄ちゃん兎に甘えてました。 お母さん兎にあーんして食べさ せてもらってるのが自分じゃなくお兄ちゃん兎なのが…なんだかお母さん兎を取られてしまったような気がして寂しかったのです。でもそれを言ったら 赤ちゃんだと思われたら嫌なので寂しいと言いませんでした。でもお父さん兎とお母さん兎にはそんな妹兎の気持ちが分かっているから妹兎をギュッして一緒に寝ることにしました。こんな風にね」
陽菜を思いきり抱きしめた。
「ママ…」