Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~
涼の部屋に行くと
「あら、目が醒めちゃった?」
涼がベッドから起き上がっていた。
「おしっこ」
「あ、トイレね。早く行きましょう」
階段を降りて涼がトイレに行ってる間にお水の用意をして
「ゴホッ!ゴホゴホ」
トイレから出てきた涼が激しく咳き込んでいる。
「大丈夫?」
背中を擦りながら
「ママ、のどいたい。ゴホゴホッ」
ベッドに座らせて
「お水飲みなさい」
コップを渡して
飲んでいる間にパジャマを。
かなり汗を掻いている。
「涼、着替えようね」
「うん」
汗を拭いてパジャマを着替えさせ体温計を挟み寝かせる。
ピピピピ…
「38℃…また上がってきたわね」
その間も『ゴホゴホッ』と咳き込んでる。
「涼、咳止め飲もうか?」
菌を出す為に咳することも必要なんだけど、ここまで酷く咳込むと苦しいし寝られないわよね。
「うん、のむ」
薬嫌いの涼が自分から飲むって言うんだからよっぽど苦しいのね。
薬を飲ませて
「さ、寝なさい。ママ傍にいるから」
「…ひなは?」
「えっ?」
「ひな、おこらない?」
涼…
「大丈夫よ。陽菜が『お兄ちゃんの看病してあげて』って。陽菜はパパと寝てるわよ」
「ひなが?…そっか」
陽菜もいつもは一人で寝てるんだけど、今晩は私達の部屋にいるのを涼も分かってるのね。
フフッ
さすがお兄ちゃんだわ。
陽菜のことは何でもお見通しなんだから。