Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~
ピンポーン
ピンポーン
ん?
開きそうにない。
鍵を取り出して開け
「ただいま」
やはり誰も出て来ない。
「おい、帰ったぞ」
――
―
買い物にでも行ってるのか?
二階に上がって
涼の部屋に明かりが点いている。
「涼」
部屋に入ると、気持ちよさそうに寝ている。
「涼」
「涼、起きろ」
「うっうぅ~ん」
やっと目が醒めたか。
「あ、パパおかえりなさい」
「ん。昼寝か?」
「うん。練習から帰って寝ちゃったみたい」
今日は土曜日で野球の練習日。
「涼、ママと陽菜は?」
「あれ?電話なかった?」
「電話?」
あぁ、ゴルフだったから気づかなかったのか。
ベッドから降りて
「ママと陽菜は慎吾おじちゃんとこ。泉おばちゃんが具合悪いんだって。行く前にグラウンドに来てそう言ってた」
泉さんが?
「慎吾は?」
「うん。また夜勤なんだって。だからママが行ったの。今晩は慎吾おじちゃんとこに泊まるって」
「そうか。で、泉さんの具合は?」
「うん。熱があるみたい。よく分からないけど風邪かもね。また電話するって言ってたよ」
「ん。あ、涼、晩飯は?」
「ママご飯の支度出来なかったからパパと何か食べに行ってって 」
「ん。じゃあ行くか」
「うん」