Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~
ホテルを出て
「飲みに行くか?」
時間はまだ8時半過ぎ
「そうですね。あの~」
フッと恭介さんが笑い
「『ブルースワン』でいいか?」
「はい」
タクシーに乗りお店へ
『ブルースワン』は私達のお気に入りのお店
支配人の香川さんとバーテンダーの佐久間さんとは旧知の仲だ。
「いらっしゃいませ」
「こんばんは」
「奥様、お久しぶりです。涼君は元気ですか?」
「はい。だんだん腕白坊主になって」
「ハハハ…そうですか。今度会うのが楽しみだ」
「はい」
「藤倉さんはスコッチ、奥様はヴァイオレットフィズで」
「はい」
スコッチとヴァイオレットフィズで
「乾杯」
久しぶりに家以外で飲むのもいいわね。
考えたら涼が生まれてから二人きりでお出掛けなんてなかったなぁ。
「ん?どうした」
「あ、いえ」
「……」
「二人だけで出掛けるなんていつ以来かなって」
「そういや…そうだな。出掛けるなら涼がもれなく着いてくるって感じだしな」
「もれなくっておまけじゃないし」
「クククク…おまけみたいなもんだな」