Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~
「まだ笑ってるんですか?」
「ハハハ…悪い悪い」
絶対悪いなんて思ってないし。
恭介さんから顔を背けてカウンターの方を。
あ、佐久間さんと目が合っちゃった。
ニッコリ笑ってくれる。
う~ん いいよね~佐久間さんの笑顔
何だか温かくなるっていうのか癒される。
「何、佐久間さんに見惚れてんだよ」
耳元で低い声が。
恭介さんに向き
「…ヤキモチですか?」
「ば~か」
デコピンされた。
「い、痛~い」
「大袈裟な。痛くない」
そりゃ恭介さんはする方だから痛くないけど、される方の身になってよね。
「何だ?その目は」
ギ、ギクッ!
目が怖い。
「い、いえ。何でもないですよ」
「……」
「ただ」
「ん?」
「デコピンはもういいです」
「……」
「おでこが腫れます」
「クククク…ば~か」
また馬鹿って言われた。
って、この短い時間で何回『馬鹿』って言われた?
これでもちょっとは優秀な秘書だと思ってんだけど。
涼のママとしても頑張ってるんだけど。
奥様としては…まぁ…
やっぱり『馬鹿』なのかしら。