Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~
「ママ」
「あ、はい」
「まめをまくの?」
「うん、そうだよ。去年も保育園でしたんじゃないかな」
「したの?」
首を傾げてる。
そりゃ去年って二歳になる前だっけ。
覚えてないわね。
「明日、保育園ですると思うよ」
「ふ~ん。ママ、おうちではしないの?」
…そういやしてないか。
「ママ、りょうね、まめまきしたい。あのおすしもたべたい」
「寿司って?」
「あぁ、恵方巻きです」
「あぁ、何か一定の方向を向いて黙って丸かぶりするってやつか」
「はい。関西から伝わってきた風習ですね。家はしなかったけど」
「あぁ俺の家もしてないな」
「りょうね、テレビでやってたようにおすしたべたいの。あのながいの」
「食べたいの?」
「うん」
「じゃあ作ろうか。恭介さん、いいですか?」
「あぁ。何でも経験しておくのもいいだろ」
「そうですね」
「まめまきもしたい」
「ん、分かった。志織、豆を買ってやれ」
「フフフ…はい」
恭介さん…分かってるのかしら?豆まきをするってことがどういうことか。