Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~
今日のメニューは天婦羅
「いたらきましゅ」
「はい、どうぞ」
恭介さんにビールを出して
「おいしいねぇ」
「たくさん食べてね」
「うん」
食べるのに夢中でお花見の話しは出ないけど、どうなったのかしら?
――
―
「ごちしょうしゃまでした」
「はい」
涼は椅子から降りて熊五郎とペン太郎と遊び始めた。
「涼が花見に行きたいって言ってんぞ」
やっぱり恭介さんにお願いしたのね。
「えぇ。早苗ちゃんがお花見に行って来たそうです。それを聞いて自分も行きたいって」
「あぁ」
「恭介さん」
「フッ そんな顔すんな。今度の休みに行けばいいだろ」
「いいんですか?」
「フッ あんだけお願いされちゃあな」
「そんなにお願いしたんですか?」
「あぁ、『涼もお花見行きたいんだけどね、ママも行きたいんだって。涼よりきっとママの方が行きたいんだよ。だからパパ、ママを連れて行ってあげようよ』ってさ」
…呆れた。
そんなことを言うんだ。
「ククク…だいぶ知恵がついてきたな」
「そのようですね」
さすが恭介さんの息子だわ。
そういう知恵だけは回るのね。