Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~
「パパ」
「ん?」
晩飯が終わって志織が後片付けをしていると
テレビを見ていた涼が書斎に来て
「あのね」
「ん?」
涼を膝に座らせて
「どうした?」
何故か真剣な顔をしている。
「ママね、びょうきなの」
「ん?」
志織が病気って?
別に普通に仕事もしてたし、飯も食ってたが。
「あのね、パパがかえってくるまえに『げぇー』ってしてた」
「……」
「ママね、きっとびょうきなんだよ。しんごおじちゃんにみてもらったらいいんじゃないかな」
「そうだな」
たぶん…悪阻だろう。
涼の時もだったが、炊きたての飯の匂いが駄目みたいだから。
「涼は優しいな」
「えっ?」
「ちゃんとママを心配してくれて」
「ママ、だいじょうぶかな?」
「あぁ。ママは病気じゃなくてお腹に赤ちゃんがいるだろ。だからちょっとしんどくなるんだ」
「あかちゃんがいるとしんどいの?」
キョトンとした顔を。
「ん、ママのお腹に赤ちゃんがいる訳だからママは一人で二人だろ」
「そっかぁ」
って分かってんのかよ。