Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~
二人がいなくなった途端に力が抜けて椅子に座り込む。
社長と高藤さん…どういう関係だ?
「…い、おい森山」
へっ?
顔を上げたら先輩が!
「どうした?デスクにも戻らないでこんなとこでぼーとして?」
「あ、いや、あの先輩」
「うん?」
「ちょっと聞きたいんですが」
「うん」
「し、社長と秘書の高藤さんって」
「あ、お前知らなかったのか?」
「えっ?」
な、何だ?
「あの二人は夫婦だ」
「夫婦?…えっぇぇ~夫婦ですか?」
驚き過ぎて頭が着いていかない。
「あぁ、高藤は産休だったんでこの4月から復帰だ」
産休?
「こ、子どもまでいるんですか?」
「何を驚いてる?めっちゃ可愛い子だぞ。あれは高藤に似てんな。もう一歳を過ぎてる」
一歳を過ぎてるって
「高藤さんて幾つなんですか?」
「高藤か?確か26…いや27か」
に、27!
全く見えない。
「見えないだろ。いつまで経っても学生みたいだし。だけどあれで優秀なんだからな。彼女のお陰でうちの社は上手く回ってるつっても過言じゃない。高藤が秘書になってくれるまでの社長は正に『暴君ネロ』だった」
「……」