Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~
「涼、出来たよ。ママの自信作」
志織が機嫌よさげに部屋から出て来た。
「涼、ほらワンワンだよ」
青いバッグに二匹の犬がいる。
「ワーンワン」
涼が手を伸ばしてバッグを手に取る。
「ほら可愛いでしょう」
「おい、あんな長い時間でこれ一つか?」
志織がキッと俺を睨んで
「だ、だってミシンなんて高校以来ですよ」
「……」
10日程前に卓上ミシンを買ったとこだ。
「こ、これだって何回失敗したか。やっと気に入ったのが出来たんですよ」
何か…興奮してる。
「分かった分かった。上手に出来てる。涼も気に入ったようだ。な、涼」
「マーマーワンワン」
「ありがとう涼。大好きよ」
涼を抱きしめてるし。
俺はどうなるんだよ。
その晩
「恭介さん」
「ん?」
「明日…大丈夫でしょうか?」
「涼か?」
「涼もですけど…私です」
「お前?別に一年前と変わりないじゃないか」
「う~ん だけど勘が鈍ってるかも。一年間ほぼ涼とだけ向かい合ってたんですから」
俺は眼中にないんかい。
「大丈夫だ、心配しなくても。へましたら俺が怒鳴るだけだ」
「えっ?」
ビビってる。
「ククク…冗談だ」
「もう恭介さんは」
抱き寄せて
「ほら、もう寝ろ」
「はい」
いつものように俺にしがみついて寝た。