Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~
4月1日
志織は涼を保育園に送って行くから俺は先に出勤する。
――
―
8時40分過ぎ
コンコン!
ガチャッ!
やっと来たか。
「今日から宜しくお願いします」
丁寧に挨拶するが、何となく元気がない。
「大丈夫か」
そっと抱き寄せると
「…ヒックヒック」
泣き出した。
涼と初めて離れるのはそんなに不安なのか。
聞くと涼が大泣きしてるのを振り切って来たらしい。
そりゃ仕方ねえな。
――
―
漸く落ち着いて仕事を始めた。
ん、やはり志織がいると助かる。
俺も遠慮しなくていいから仕事が捗る。
志織の替わりを務めてくれた子も優秀なんだが、やはり俺にも遠慮があるし…何たって志織が毎日毎日耳にタコが出来るくらい「偉そうに言うな。怒鳴るな。怒るな」と。
それに俺を見る度、ビビってるし。
俺の方が限界だった。
志織も暫くは涼のことを考えてたようだが、時間が経てばそれどころではなくなり忙しく元の優秀な秘書に戻っていた。