Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~
「パーパー」
涼がひょこひょこ歩きながら近づいて来る。
もうすぐ一歳半になるからかだいぶしっかり歩けるようになった。
言葉も俺には何を言ってんのかよく分からんが一生懸命喋ってる。
志織には分かるらしいが。
そこが母親と父親の差か。
「パーパー」
俺の膝によじ登り
「パーパーたーたーキャーキャー」
何かを話してんだが一体何が言いたいのか。
「ん?どうした」
俺の腕を掴み揺さぶる。
言いたいことが伝わらないもどかしさからか
「ゥゥゥワ~ン」
泣き出しやがった。
「おい涼」
頭を撫でるが泣き止みそうにもない。
コーヒーを淹れて持って来た志織が
「恭介さん、涼ね、たぶん高い高いをして欲しいんじゃないかと」
「ん?」
「恭介さんの腕を引っ張ってるし膝の上に立ち上がって手を上げてるし」
「ゥゥゥワ~ン」
泣き声はますます大きくなり
「涼、パパに高い高いをして欲しいのね?」
「ゥゥ…たーたーヒックヒック」
「そうみたいですよ」
「そっか。悪かったな」
抱き上げて思いきり高く上げてやった。
「キャーキャーパーパーキャー」
今泣いた烏がもう笑った。