Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~
夏の思い出
【「夏休みの思い出」
1年1組 藤倉涼介
夏休み最初の日曜日、僕はパパとママと陽菜と水族館へ行きました。
陽菜は本物の熊五郎が見たかったので動物園に行きたかったんだけど、ジャンケンで僕が勝ったので水族館に。
だから陽菜は膨れています。
パパが「陽菜はママに似てよく膨れるな」って言ったらママも膨れました。
パパと僕は笑いました。
水族館で本物のペン太郎を見て陽菜の機嫌も直りました。
僕はよかったと思います。
他にもラッコやジンベイザメや色んな魚を見ました。
あ、イルカのショーも見ました。
面白かったです。
陽菜は大きくなったらイルカと一緒にショーに出るお姉さんになると言いました。
でも僕はイルカの方が陽菜より賢いから無理だと思います。
次はクラゲのいる部屋に行きました。
色んなクラゲがフワフワユラユラ気持ち良さそうに浮いていました。
ママが「私もクラゲになりたい」と言いました。
パパが「クラゲになって俺を刺す気か」と言うと
「クラゲには毒が有りますから恭介さんどうします」と言いました。
ママはパパを刺していつも苛められてる仕返しをするつもりです。
案外ママも怖いです。
僕はママに逆らうのは止めようと思いました。
陽菜が「おにいちゃん、これかわいいね」って。
陽菜が見ていたクラゲには「クリオネ」って書いてありました。
「クリオネはね『流氷の天使』って言うんだよ」ってママが教えてくれました。
僕は初めて天使を見ました。
「ママ、ママがクラゲになるならクリオネだね。可愛いから」
僕が言うとママはニコッと笑い「ありがとう」って僕の頭を撫でてくれました。
「クリオネは共食いすっけどな」とパパが言ったら
「もう、信じらんない」とママはまた膨れました。
僕はママはクリオネじゃなく河豚に似ていると思いました。
(おわり)】