Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~
「ウワァァァァァ~」
あらあら陽菜が大泣きしてる。
どうしたのかしら?
二階に上がり…泣き声は涼の部屋からね。
ガチャッ!
「ウワァァァァァ~お、おにいちゃ~ん」
「どうしたの?」
陽菜が私に抱きついて来て
「マ、ママァ~お、おにいちゃんが~ウワァァァァァ~」
陽菜を抱き上げて
「陽菜、泣かないの。涼、喧嘩したの?」
涼が怖い顔で陽菜を睨んでる。
「ちがうよ、ママ。これをみてよ」
指差す先を見ると
「あらぁ~」
机の上には涼が夏休みの宿題に描いていた絵が…見るも無惨に。
「どうしたの?」
「ぼくがおしっこにいってるあいだにひなが」
絵の具でめちゃめちゃに塗ってしまったらしい。
陽菜を下に降ろし目線を合わせて
「陽菜、お兄ちゃんの絵をどうしたの?」
「ヒック…お、おへやにきたらね、お、おにいちゃんが ヒック…い、いなかったの。ちゅくえのうえにえが…ヒック…しろいとこあったから…ひなぬってあげたの」
陽菜としてはいいことをしたつもりなんだ。
「ちょちたらね、ヒックヒック…おにいちゃんがおこったの。ひなのことをヒック…」
「涼」
「……」
「陽菜を叩いたりは」
「してないよ。ひなのほうがぼくをたたいた」
「えっ?」