Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~
陽菜が涼を?
「陽菜、お兄ちゃんを叩いたの?」
陽菜はまだ「ヒック…ヒック…」しゃくりあげながら
「だ、だっておにいちゃんが~ひ、ひなのこと『ばか』っていっちゃもん」
口では叶わないから手が出たのね。
「う~ん、お兄ちゃんは陽菜がお兄ちゃんの大事な絵を塗っちゃったから怒って『馬鹿』って思わず言っただけだよ。陽菜のことを本当に『馬鹿』だと思ってるわけじゃないよ。ね、涼」
「う、うん」
納得はしてないけど一先ず頷く。
「だから陽菜もお兄ちゃんを叩いたりしちゃ駄目なの。陽菜も叩かれたりしたら痛いでしょう?お兄ちゃんだって陽菜に叩かれて痛いんだよ」
「ヒック…ヒック…ひな…わりゅくにゃいもん」
陽菜も頑固だから…
「もういいよ」
涼がしびれを切らしたのか
「涼、絵どうする?」
「しかたないからもいっかいかく」
「そうね」
また陽菜が近づこうとするから
「ママ」
「うん?」
「ひなをつれていってよ。ぼくのへやにいれないで」
「そ、そうね。陽菜、ママと下に行こう」
「いや。ひなもおにいちゃんとえをかくの」
今まで喧嘩してなかった?
「ひなはだめ!でていって」
「いや」
「だめ!ママ」
「陽菜、下でママと絵を描こうね」
「いやだ~おにいちゃんと~ゥゥワァァァ~」
また泣き出した。