Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~
下に連れて行ってもまだグスングスン泣いている。
「陽菜、あの絵はね、お兄ちゃん学校に持って行って先生に渡す大事な絵なの。それでね、お兄ちゃんが一人で描かなきゃいけないの。陽菜が手伝っちゃ駄目なのよ」
陽菜の顔を拭きながら
「ひながてちゅだったらおにいちゃん、ちぇんちぇいにちかられるの?」
まだヒックヒックしてるから呂律が回ってない。
「う、うん」
「ふ~ん」
「だから陽菜は下でママといようね。あ、陽菜、晩ご飯のお手伝いしてくれるかな」
「う、うん」
何とか泣き止みキッチンへ
――
―
RuRuRuRu
あら電話
「はい、藤倉です」
――
―
電話を切ってキッチンへ…
陽菜?
陽菜何処へ?
「ゥゥワァァァ~」
陽菜の泣き声!
二階から!
まさかまた涼の部屋に
慌てて二階に上がって涼の部屋へ
陽菜が泣き涼が困ったような顔で
「陽菜」
「マ、ママァ~ゥゥワァァァ~」
陽菜を抱き上げて
「どうしたの?」
涼を見ると
「ママ、またひながじゃましにきた」
「陽菜」
あれほど駄目だって言ったのに。
「ウワァァァァァ~お、おにいちゃんが~ゥゥワァァァ~」
一段と激しく泣く。