Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~
食事が終わり、暫くしてから
「さっ、ケーキですよ」
テーブルにケーキを置く。
うん?
何故か男性陣のテンションが
私と瑞穂さんはハイテンションなのに。
ケーキの真ん中にローソクを立て火を点けて
「涼、フーってしようね」
私の真似をして
「フゥー」
恭介さんが涼の後ろから吹き消し
みんなから改めて
「涼ちゃん、おめでとう」
ケーキを切り分けて、少しだけ涼にも
「俺が食わせる」
今日はずぅっと涼の面倒をみてくれてる。
「ほら、涼」
パクン!
初めて食べたケーキが美味しいのかニコニコ顔でまた
パクン!
「美味いか?」
「パーパー」
うん?
――
―
一瞬シーン
涼が再び
「パーパー」
恭介さんに…
「い、今、パパつったよな」
「……」
「ん、絶対言った」
一人納得してる。
みんなが何も言わないからか
「涼、俺は誰だ?」
聞いてるし。
「パーパー」
確かにパパって言ってる。
「な!」
勝ち誇ったように
「兄さん、よかったわね」
「うん、涼に父親と認められてよかったな」
誠さんと瑞穂さんにからかわれても知らん顔。
涼に何回も「パーパー」って呼ばせてる。
ほんと親馬鹿丸出しだわ。
フフフ…
だけど、そんな恭介さんも素敵。
「何、蕩けそうな顔してるんだよ」
ゲッ!お兄ちゃん。
「どんだけ恭介さんが好きなんだよ」
耳元でこっそりと言われた。
「お、お兄ちゃん」
恥ずかしい。
私、真っ赤だよ。