雲雀の如く


その顔は、雲雀の"あの時"の顔にどうしても重なってしまう。



抱き締めたい衝動に駆られる。



手が伸びそうなのをグッと堪える。


「そう、で、すか……」



「たが、礼を言う。ここまで私を想ってくれて……。私は一度、亡くなった者なのに」



「……いえ。私の中では耀様はずっと生きて居られました」



私は、自然に笑みがこぼれていた。



いつ以来だろうか、


自然に微笑んだのは。













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