雲雀の如く


「私が胡蝶を救おう」


行かないで下さい…。


嫌です。嫌でございます!!耀様!!


「…雲雀?」


「はい…?」


「手を、離してくれぬか」


手に目をやると、耀様の着物の裾を握っていた。


「…嫌、でございます……っ」




「雲雀、分かってくれ」


そっと、裾にあった私の手を降ろした。




その化け物は何故か見覚えのある姿だった。



黒い羽根。紅い目。





あれは、たしか、












─────────天狗だ。




< 31 / 36 >

この作品をシェア

pagetop