雲雀の如く
「私が胡蝶を救おう」
行かないで下さい…。
嫌です。嫌でございます!!耀様!!
「…雲雀?」
「はい…?」
「手を、離してくれぬか」
手に目をやると、耀様の着物の裾を握っていた。
「…嫌、でございます……っ」
「雲雀、分かってくれ」
そっと、裾にあった私の手を降ろした。
その化け物は何故か見覚えのある姿だった。
黒い羽根。紅い目。
あれは、たしか、
─────────天狗だ。
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