無口彼氏と遠恋中
「みみ…みみも、真琴先輩と仲良くね」
泣き止んだあっちゃんが、あたしを見つめて微笑む。左手は、しっかり彼氏さんと繋いであって。
…あたし、最低だよね。
人の幸せが、羨ましいなんて。
「…うん。よかったね、あっちゃん」
笑顔が、ぎこちなくなってしまった。
あっちゃんはいいな。手の届く距離に居て、会いたい時に会えて、触れたい時に触れられるんだもん。
不安だって、こうしてすぐに解決出来るんだ。
でもあたしは?あたしは、無理。
鹿児島と東京。簡単に会える距離じゃない。
普通のカップルなら出来る事が、出来ないって。こんなに、辛いんだって。
あたし、遠恋をなめてた。
真琴
会いたい。
寂しい。
会いたい。
苦しい。
会いたい。
好き。
真琴………。