無口彼氏と遠恋中
「…み、みみ!」
「…え…!?」
ハッとして意識を取り戻す。あたし、ボーッとしてた。
「材料足りなくなっちゃったから、買いに行って来るね?」
「あっいいよ!あたし買って来るから、他の準備してて」
「ほんと?ありがとう」
クラスの子に笑い返し、あたしは財布を持って材料の買い出しに向かった。
文化祭委員として、あんまり仕事出来てないし。これくらいはしないと…。
とぼとぼと歩き、少し遠くの文房具屋さんへ。
頼まれた材料を買い、店の外へ出た。
「…曇ってる」
見上げた先にはどんより雲が広がる空。何だか雨が降りそう。
あたしは歩くスピードを速めた。