無口彼氏と遠恋中
五言目
「…ん…」
おでこに冷たい感覚を感じて、ゆっくりと目を開ける。
そこは見慣れたあたしの部屋の天井。
あれ……何で、あたし……。
「起きたか?」
「…え?」
斜め上から聞こえた、低くてハスキーな声に顔を向けた。
「…真琴ーーーーっっ!!!?」
そこにはあたしの顔を覗き込む真琴がいて。大絶叫したあたしに、眉間にシワを寄せて耳を塞ぐ。
何で何で何で!?何で真琴が!!!?
「夢!?幻覚!?幻!?」
「…うるせー。静かにしろ」
いやいやいや静かになんて出来ないって!
どうして!?だって真琴は東京に……っ。