無口彼氏と遠恋中
突然起き上がってしまったからか、頭がクラクラする。
そんなあたしを見て、真琴が声色を強める。
「だから、病人は寝てろって」
「…病人?あたし、何の病気?」
キョトンと首を傾げると、真琴は唖然として。
「…アホ」
「はぁっ!?」
アホって何よ!アホって何よ!アホって何よ~!
「お前は雨に打たれて風邪引いてんの!
大人しく寝てろよ馬鹿。
……ったく。相変わらず手がかかる」
「…ご、ごめんなさい…」
小さな声で謝ったあたしに、真琴は溜め息を吐いて。
「…心配で来ちまったし」
「……え?」
今のは何?幻聴??
俯いてた顔を上げて真琴を見ると、あたしと目が合うなりばつが悪そうに顔を背けた。