無口彼氏と遠恋中
驚いた、けど。
初めての真琴とのキス。
見開いた瞳を、そっと閉じた。
少しして唇が離れ、あたしは真琴を見上げる。
「…真琴?」
「………」
名前を呼んだら、また抱き締められた。
でも見えた。真っ赤に染まった、真琴の顔。
心臓も、あたしと負けないくらい速い。
「ねぇ真琴……あたしの事好き?」
ダメ元で、聞いてみた。案の定、返事は無い。
付き合ってから、一度も言われたことが無い、真琴からの“好き”。
分かってたけど、言われたかったな……なんて、軽くショックを受けていたら。