キミと僕の証
「はい!どうぞ!」
「あ、すいません!! ありがとうございます」
若い男の先生は私にホットココアを
おごってくれた。
「で、何かな?僕に話って!」
「あの… 率直に聞きますけど、
お名前は…???」
「尾崎 知哉 ここの研修生で
外科医を目指してるんだ!」
「知哉…」
「うん 君は確か、ここの病院の小児科に
お父さんがいる子だっけ?」
「はい!岡野さくらです!!」
「あ~!!!! 岡野先生の娘さんか~」
「父をご存知なんですか??」
「もちろん知ってるよ!岡野先生は
小児科のエースだからね!」
「エースって、本当なんだ…」
尾崎先生はくすくす笑っていた。
「あの… この栞を知りませんか?」
「うーん… ごめんねわかんないな(*_*)」
「そうですか…」
てことは、やっぱり尾崎先生はあの青年
ではないんだ。
「その持ち主を探してるの?」
「はい。昨日、尾崎先生とそっくりな
青年が…」
「いたわ!!尾崎先生、202号室の
田中さんが急変して!!!」
看護婦さんがあわててとんできた。
「わかりました!すぐいきます!
さくらちゃん悪いけど続きはまた今度ね」
「あ、はい!頑張ってください」
尾崎先生は急いで走って患者さんの所に
向かった。
「忙しいのに、悪かったな」