キミと僕の証



「はい!どうぞ!」


「あ、すいません!! ありがとうございます」


若い男の先生は私にホットココアを
おごってくれた。


「で、何かな?僕に話って!」


「あの… 率直に聞きますけど、
お名前は…???」


「尾崎 知哉 ここの研修生で
外科医を目指してるんだ!」

「知哉…」


「うん 君は確か、ここの病院の小児科に
お父さんがいる子だっけ?」


「はい!岡野さくらです!!」


「あ~!!!! 岡野先生の娘さんか~」


「父をご存知なんですか??」


「もちろん知ってるよ!岡野先生は
小児科のエースだからね!」


「エースって、本当なんだ…」


尾崎先生はくすくす笑っていた。


「あの… この栞を知りませんか?」


「うーん… ごめんねわかんないな(*_*)」


「そうですか…」


てことは、やっぱり尾崎先生はあの青年
ではないんだ。


「その持ち主を探してるの?」


「はい。昨日、尾崎先生とそっくりな
青年が…」


「いたわ!!尾崎先生、202号室の
田中さんが急変して!!!」


看護婦さんがあわててとんできた。


「わかりました!すぐいきます!
さくらちゃん悪いけど続きはまた今度ね」


「あ、はい!頑張ってください」


尾崎先生は急いで走って患者さんの所に
向かった。


「忙しいのに、悪かったな」






























< 16 / 22 >

この作品をシェア

pagetop