キミと僕の証
そのあと、二人で桜の木の下で
座って話をした。
「僕は手術をしたあと、
退院して家に帰ったんだ。いくら親や家のものに "さくらちゃんに会いたい"
って言っても会わせてくれなかった。
僕の担当医であって、さくらちゃんの父親でもある岡野先生も会わせてくれなかった。
大人の事情があるからって…」
「私も和くんをずっと探してた。
今日だってあなたのこと探してたのよ!」
私は泣きそうな目をしてうるうるだった。
「この桜の木が僕たちを再会させてくれたんだね!」
私と和くんは桜の木を見上げた。
すると桜吹雪の混じった優しい風が吹く。
「ねぇ、和くんって今いくつ?」
「僕は大学2年の19歳だよ!
さくらちゃんは?」
「高3だよ!!明日で18歳!」
「さくらちゃんは早生まれか…
早いな時が流れるのは…」
「ちゃん付けしなくていいのに(笑)」
「いまだに、昔のまんまだな(笑)」
二人は顔を見合わせて笑った。
「日がくれちゃったな…途中まで送るよ」
「ありがとう!」
お母さん、和くんと再会できたよ!
ありがとう…