眠り姫【短編】

「雪、笑…って?」

苦しそうに、顔を真っ青にして、荒い息遣いで、そう言いながら微笑む瞬。

…ああ、こんなに必死に生きている君の為なら、なんでもしてあげられそうだ。



「…分かったよ、瞬」

ちゃんと笑えたか分からない。

それでも、君が最期に"ありがとう"と口を動かしたのが分かったから。

だから、きっと、これで良かったんだ。
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