パステルカラーの恋模様 【鮫っち番外編】
何か古くさい漫画の中の人みてぇ。
俺は腰をかがめて、教室の前へ恐る恐るたどり着いた。
屋上かなんかでサボればいいものを!
俺は何だかんだ根がクソ真面目だったりする。
うおっ、ラッキー!
後ろのドア半分くらい開いてんじゃん!
俺の席は廊下側から二列目の、後ろから二番目。
いける!
このままこっそり滑り込めば、きっとバレない!
そう思って、こっそり教室に忍び込んだ瞬間、
「さ~め~じ~ま~!」
ぎゃひー!
英語の上田がチョークを投げ…や、そこまではいかないけど、ものすごい鬼の形相でこっちを睨んでいる。
「いやっ違うって!道で困ってるお年寄りを助けてて、遅れたんすよ!」
「みえみえの嘘をつくなっ、アホ!早く授業の準備せんかっ!」
「いやっマジだって、先生!」
クラスがどっと笑う。
くっそ~…俺、信用ねぇぇぇ!
結局俺の“後ろのドアからこっそり忍び込み作戦”は失敗に終わった。