雨恋 ーアマゴイー
アルバイトちゃんは
緊張してるのか
肩が強張っている。

それでも、ニコニコしながら挨拶をしている姿は
健気だった。

よくもまぁ、そんなに頑張れるなぁ…。



あたしは、アイスをアルバイトちゃんに渡し、
財布をあさる。

はぁ。
軽い財布だな…。



……で、値段が、

「610円になります!」


…そんなに張り切って言わなくても平気なんだけど…。


ま、アルバイトちゃんは頑張ってるわけだし、
どうでも良いや。




「―ありがとうございました!」


帰り。
またも、明るい挨拶に見送られ、
家路を歩く。

雨は、まだ降っていた―。
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