その手の中に
小さな箱
倒れたのにびくともしない。
床が血で汚れてる。
床だけじゃない、そこら中の壁もだ。
声が、出ない。
赤いものが、鏡夜だとわかってから
声がでなくなった。
叫ぶことすら叶わない。
足に力が入らない。
崩れるようにして、
私は膝をついた。
そうだ…救急車…。
そう思っても
もう助からないことは
私もどこかでわかっていた。
こんなときは、どうするんだろう。
なけばいいの?
泣き叫べば
誰かが助けてくれるの?
それでも実感のわかない私は
涙なんて出なかった。