その手の中に
私が箱を手にとった直後
警察が大勢で走ってきた。
「怪我はないですか!?!?」
…
警察はそばに駆け寄ってきて
まず私の身を案じた。
「大丈夫…です。でも鏡夜が…」
私は震える声で話す
「………つらかったですね。」
「…」
私は黙って頷いた。
「怖かったですよね…よく耐えました。」
「………はい…?」
私は疑問系で答える。
耐えた?なにに?
なんだか話が
すこしかみ合っていない気がした。
「耐えたって…なににですか?」
冷静に質問することができた。
「? あんな状況で、怖くなかったんですか?」
え?
「私は…さっき起きて…。」
ぽつりぽつりと
言葉を紡いでいく。
「私は…私がみたのは…鏡夜だけです」