その手の中に



(落ち着けっ…!!!!落ち着け俺!!!!)


ハァハァと息を整えながら



状況を整理しようとした。




その時だった。




「……鏡夜?」



ドアの向こうから声がする。




俺はハッとした。




(やばいっ……!!!!今…きたらだめだ!!!!)



とりあえず今くると




美桜が危ないということはわかった。




きっと今俺がここにいると分かったら



美桜はドアを開けるだろう。



こんな状態なら尚更だ。




(だめだ……っ!それだけはっ…!!!!)



俺は息を少しずつ整えながら



気配を消した。




しばらくして




物音が聞こえなくなった。



「…………。」




俺はほっと胸をなでおろす。





「へ~~~~?そこに大事な子でもいんの?」



バッ!!!!


俺はその声に振り返った。




「俺のこと無視してそっち気にしちゃうんだもんなぁ?いーの?自分のことは?」



そう言った奴の顔は



よく見えないが





不気味な笑いをしてることは分かった。


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