君がくれたもの。
「どうして…どうして私の気持ち知ってて期待させるような事したの?」


「どうして!どうして…手繋いだり…したの?」


涙が止まらなかった。


私はこんなに好きなのに。


ソラはなんとも思っていなかった。


好きにさせるだけさせといて。


「なんとも思ってないなら…中途半端に優しくしないでよ!」


「違うんだのんちゃん!」


「何が違うのよ!ソラは…ソラは最低だよ。こんなに…こんなに好きにさせといて…ソラなんか…大っ嫌い!」


「のんちゃん!」


私は無我夢中で走った。


ソラを置いて。


ソラの話を何も聞かずに。


電車の中でも涙は止まらなかった。


人間の目からこんなにも水分が出るのか?と思うくらい


止めどなく涙が流れて


心が痛くて。


この時私はソラの気持ちなんて考えていなかった。


自分のことばっかりで。


---あの時…ソラの話をきちんと聞いていたら…


後悔しなかったのかな…

< 53 / 63 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop