卒業 ―ずっと、一緒だよ―

――え？

私は、写真の莉絵をじっと見た。
気のせいか、その表情は悲しげに見えた。

（…私は、卒業できない…）

莉絵のそんな言葉を、聞いたことがなかったのに。

でも。
ずっと一緒だと言った同じ声が、私の頭の中に響いた。

……莉絵？

「――どうかした？　理緒。」

呼びかけられて、写真から顔を上げる。

「ううん、何でもない……。」