卒業 ―ずっと、一緒だよ―
阿美は、私のお財布を開けて、中を見た。

「なんだ、少ないじゃん。」

やめて、返して…そう言いたかったけど、声が出せない。
そして、

「――ほら!」

阿美は、お財布も校庭に投げた。

「取ってきな、莉絵。」

どこに落ちたのか、もう暗くてよく分からない。
それでも莉絵は、階段を駆け下りていった。
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